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病理診断科

当院の病理診断科の概要です。

Pathology

診療内容と実績

2017年業務実績

生検および手術病理組織検査件数 3,221件
術中迅速組織診断件数 226件
剖検 35例
免疫染色件数 219件
細胞診検査件数(検診除く)3,274件

診療部長の齊藤昌宏と臨床検査科科長の高橋さつきの病理医2名が勤務している。技師5名、検査助手2名(医師以外は臨床検査科に所属)のスタッフとともに病理・細胞業務を担っている。
2002年後半に日本病理学会の認定病院に認定され、病理医の研修も可能な施設となった。 さらに、専門研修制度では、教育基幹施設として認定された。2018年から施行。研修する専攻医を募集している。
日本臨床細胞学会よりは、2004年度から認定施設、2009年度から教育研修施設とされている。

1)剖検

2017年の剖検は35例(市立横手病院からの依頼は4例)。院内死亡者は607名で、剖 検率は4%であった。死亡数が2015年713、2016年678、2017年607となっているため剖検率はひとけた台のパーセントなっている。大学病院などとは異なり、末期患者も終末期まで責任を持つ地域中核病院では、院内死亡多数となるのは避けられない。様々な資格認定のラインとしては、剖検率そのものよりも、ベッド数の一定割合いの剖検数が現実的であろう。
病床数、死亡数ともに多いのは循環器・呼吸器内科であるが、剖検率は循環器科が大きく伸びた。日本病理学会では、2017年度より医師専門研修制度を先がけてスタートした。基幹病院として、実績を積み重ねたい。

剖検例の主病変の内訳

悪性腫療は11例。解剖でも原発臓器が不明な例が1例あった。
循環障害10例(心臓9例、脳1例)。長期経過を追う、慢性的な心不全に関連した症例が6例。ほかにも慢性疾患の経過観察中の例が複数だった。
臨床的主病変と剖検結果の不一致は8例。
心肺停止状態で運ばれ 、剖検となったのは3例。
小児例が1例。

病理検討会(月一回、月末水曜17時から)の内容について

剖検総数の減少に伴い、全例のプレゼンテーションが可能になっている。基本的にすべての剖検例について、剖検後2-4ヶ月以内に最終剖検診断を提出している。検討会の一週間前に、検討会の案内とともに、病理側から見た各症例の問題点、検討点を掲示することにより、臨床医の参加を促している。
各担当臨床科に加え、各科専門医の積極的参加で、臨床側説明に画像の解説・再検討が加わり、病態の解析がより深まっている。参加医師数は研修医を含め毎回10数名に上り、討論を活発化できた。また市立横手病院の医師や、病理以外の技師(生理・微生物担当) ・看護師も参加している。
2004年度から臨床研修義務化に伴い、CPC研修2例を必修としている。初期研修医の症例が優先的に検討されるよう、内科・外科・救急外来などの応援をお願いし、 指導医や研修医学年上下の連携もあって、2年間で全員に2症例ずつがほぼ行き渡った。

2)生検

2017年件数は3,221件、前年からは微減。
科別に見ると、形成外科件数は回復。
術中迅速は226件。乳腺を含む外科からの依頼が定着している。血液内科も件数定着。 院外依頼は2012年度にて停止。
標本作製の基礎となるブロック数は横ばい。乳癌に対する温存手術と外科全般の手術、消化器科ESD件数によるものか。免疫染色全体の件数は219件、うち107件が乳腺である。
オーダーメイド医療の発展に伴い、化学療法選択のために病理組織未染標本や細胞診検体を提供するようになった。肺癌で第ーにはゲフィニチブ選択のためのEGFR変異 検索である。非小細胞肺癌で、検索可能なものはすべて提出。2007年から2017年までのベ数は696件である。肺癌の診療医師の体制が変わったため、2017年の件数は減少した。クリゾチニブ選択のためのALK転座の検索も2012年から始まった。大腸癌でのセツキシマブ選択用、RAS変異検索は2008年から始まり、のべ223件に達している。2015年半ばより検索範囲が広がり、KRAS,NRAS計12項目が調べられるようになった。こちらは、 化学療法適応症例に対しての検索となっている。乳癌では、HER2の免疫染色は、年間 100件前後と定着している。こちらには、新規症例に、再発や治療後の例の再検討も加わっている。

3)テレパソロジーによる遠隔病理診断

大曲厚生医療センターに導入されているWhole slide imaging (バーチャルスライド)機器を利用し、高精細画像のテレパソロジーを実施し、遠隔術中迅速診断も行っている。