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産科(よくあるご質問)

当院の産科のご案内です。

Gynecology

よくあるご質問

風邪をひいたらどうすればいいですか?

大事なことは次の3つです。

  1. 通常の風邪が赤ちゃんに影響することはまずない(高熱や脱水の場合を除く)
  2. かぜ薬でかぜは治らない
  3. 症状を和らげるために妊娠中でも内服できるかぜ薬はいろいろある

 通常のかぜ(感冒)がお腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性はほぼありませんので、赤ちゃんのために風邪薬をのまなければならないということもなければ、すぐに病院を受診した方が良いということもありません。ただし、水分もとれなくなってしまった場合や、妊娠初期に高熱が続く場合は、赤ちゃんに影響する可能性がありますので念のため電話でご相談ください。
 また、かぜ薬でかぜは治りません。かぜ薬はかぜを治すためのものではなく、風邪の症状を和らげるためのものとお考えください。かぜを早く治す方法は、無理をせず十分な休養と水分・栄養をとることです。ただ、症状がどうしても辛い、今だけはどうしても休めない、という場合は妊娠中でも内服できるかぜ薬があります。病院から処方することも可能ですが、時間はもちろん費用も意外にかかります。当科に通院中の方にはドラッグストアで購入できる総合感冒薬のうち妊婦さんが安心して内服できるものをお伝えしていますので、電話にてお問い合わせください。なお、産婦人科以外の医師はどのかぜ薬が妊婦さんに安全かわからないことが多いので、夜間や休日に当院救急外来や診療所を受診することはお勧めしません。
 なお、妊娠中に薬を内服するのは良くないと考えて、うがい薬を使い続けている方がいらっしゃいます。ヨードを含んだうがい薬(イソジンうがい薬®など)は赤ちゃんに悪影響を及ぼすことがありますので、ご注意ください。また、多くの漢方薬は安全に使用できますが、中には妊婦さんは内服しない方が安全なものもあります。

解熱鎮痛剤(熱さまし・痛み止め)はのめますか?

 現在、妊娠中最も安全に使用できるとされている痛み止め・熱さましが「アセトアミノフェン」です。当科では、頭痛などの場合1回あたり400-600mgを処方していますが、ドラッグストアでもタイレノール®A(1錠300mg)、ラックル®(1錠300mg)という商品名で市販されています。
 しかし最近、まだ最終的に確認されていないもののお腹の赤ちゃんに対する影響(言語発達障害、注意欠如他動症)が報告され始めていますので、妊娠初期に長期間連用することはなるべく避け、必要最低限の使用にとどめるようお勧めしています。
 なお、妊娠中期(妊娠16~27週)にはアセトアミノフェンだけでなく市販の解熱鎮痛剤ほぼ全てが内服可能ですが、一緒に含まれていることの多いカフェイン含有量にご注意ください。

花粉症の薬は使えますか?

 安全に使えるものがありますので、医師にご相談下さい。市販薬では、ロラタジン(市販薬はこちらから検索 ),セチリジン塩酸塩(市販薬はこちらから検索)、などは妊娠中でも安心して使用できます。

サイトメガロウィルスやトキソプラズマ

参考資料:TORCHの会HP

妊娠中の感染予防のための注意事項 – 11か条

1.石鹸と流水で、しっかり手を洗ってください。

特に以下の場合は念入りに洗ってください。

  • トイレを使用した後
  • 生肉、生卵、または洗っていない野菜や果実に触れた後
  • 調理や食事の用意をする前後
  • ガーデニングや農作業をするなど、土に触れた後
  • ペットと触れ合った後
  • 病気の人の近くにいた後
  • 手に唾液(特に乳幼児の唾液)がついたとき
  • 小さな子どもと遊んだり世話をした後
  • おむつを替えた後

石鹸と流水が使えない時は消毒用ハンドジェルの使用をお勧めします。

2.小さな子どもとフォークやコップなどの食器を共有したり、食べ残しを食べたりすることはやめましょう。

小さな子どもの唾液や尿にはサイトメガロウイルスが含まれている可能性があります。
健康な人には無害なウイルスですが、妊婦と胎児には影響を及ぼすことがあります。
小さな子どもと関わるときはしっかり手を洗いましょう。

3.肉は、しっかりと中心部まで加熱してください。

買ってきた調理済みの肉料理も、本当に充分な加熱調理をされているのか定かではありませんから、自分で中心部の赤みがなくなるまでしっかり加熱したもの以外は食べないでください。
加熱が不十分な肉や肉の加工品には有害な細菌や寄生虫(トキソプラズマやリステリア菌)が含まれている可能性があります。
もし混入している場合も、十分な加熱調理で殺してしまうことができます。
その他、生ハム、ローストビーフ、レアステーキ、肉のパテ(火を通していないパテ、加熱不十分なパテ)、生サラミ、生ベーコン、ユッケ、馬刺し、鳥刺し、鹿刺し、エゾシカのレアステーキ、鯨刺し、ヤギ刺し、加熱が不十分なジビエ(野生の鳥獣)料理、等も妊娠中は食べないようにしましょう。
サラダや肉や魚のパテからリステリア菌に感染した事例もあります。
基本的に、妊娠中には十分に火が通ったものを食べるように心掛けましょう。

4.殺菌されていないミルクや、それらから作られた乳製品は避けましょう。

殺菌済という確証がない限りはフェタチーズ、ブリーチーズなどの「ソフトチーズ」は食べないでください。
海外で供されるチーズではこういった種類のものが珍しくありません。
殺菌していないこれらの製品には有害な細菌や寄生虫が含まれている可能性があります。

5.汚れたネコのトイレに触れたり、掃除をするのはやめましょう。

できるだけトイレの掃除は他の人に代わってもらいましょう。
どうしても自分でやる必要がある場合は、手袋やゴーグルを着用し、作業後には必ず手を洗ってください。
また、ネコのトイレは毎日掃除して清潔を保つようにしてください。
ネコの糞にはトキソプラズマなど有害な寄生虫が含まれている可能性があります。

6.げっ歯類(ネズミの仲間たち)やそれらの排泄物(尿、糞)に触れないようにしましょう。

有害なウイルスを運ぶげっ歯類もいます。
まれにそれらがペットのモルモットやハムスターなどにも感染していることがあります。
出産まではそれらペットの世話は他の人に頼みましょう。

7.妊娠中の性行為の際には、コンドームを使いましょう。

性行為を通じて、サイトメガロウイルスや単純ヘルペスウイルスなどのウイルスやクラミジアなどに感染することがあり、これらは胎児・新生児に悪影響を及ぼす恐れがあります。
また、特別な病原体でなくても、膣内の細菌感染の刺激が早産の原因となることもあります。
これを防ぐためにもコンドームの使用が望まれます。
また、唾液を介して感染する病原体もいますのでオーラルセックスも危険です。

8.母子感染症の原因となる感染症について検査しましょう。

胎児・新生児に影響を及ぼす感染症であっても、妊婦には自覚症状が乏しい場合も少なくありません。
日本では梅毒検査、B型肝炎抗原検査、C型肝炎抗体検査、HIV抗体検査、HTLV-1抗体検査は妊婦健診の際に、ほとんどの産科施設で実施されています。
しかし、 トキソプラズマ抗体検査やサイトメガロウイルス抗体検査などは、任意であり、また検査を奨める施設も多くはありません。
自分が現在、何か感染症にかかっている可能性はないか、どういった病気にたいして免疫を持っているかを把握して、予防に役立てるためにも、検査は必要です。
トキソプラズマやサイトメガロウイルスの抗体検査も自分から医師に検査を頼むようにしましょう。

9.B群溶血性レンサ球菌の保菌者であるか検査してもらいましょう。

妊婦の10~30%が感染していると言われていますが妊婦自身には自覚症状がありません。
しかし、赤ちゃんの髄膜炎や死亡につながる感染症です。
妊娠後期で簡単な綿棒テストをすることでわかります。
保菌していることが判明すれば、分娩中に赤ちゃんを保護する方法があります。

10.感染症から自分と胎児の身を守るために、妊娠前にワクチンを打ちましょう。

ワクチンが存在する感染症(たとえば、麻疹、風疹や水痘)は、ワクチンを打つことで防げます。
自分が病気にならないため、健康を保つため、将来の自分の胎児を守るため、また周囲にいる妊婦とその胎児に感染させないためにも、ワクチンを打ちましょう。
現在妊娠している方は、出産後、なるべく早く次の妊娠までの間にワクチンを打ちましょう。

11.感染している人との接触を避けましょう。

自分が未感染であるか、ワクチンを打っていなかった場合、水痘や風疹などに感染している人には近づかないようにしましょう。
もし接触した人がこれらの病気に罹っていることがわかったら、すぐに病院に連絡して下さい。
水痘や麻疹の場合は、すぐに免疫グロブリンの注射をすることで発症を防ぐことができるかも知れません。

妊娠中に注意が必要な食べ物はありますか?

絶対に危険というものはありませんが、いくつか注意が必要な食べ物があります。

  1. トキソプラズマに感染する可能性があるもの …レアステーキや生ハム、ユッケなどの加熱不十分な肉、十分に洗っていない生野菜や果物。
  2. 水銀を含む可能性があるもの …本マグロ、インドマグロ、メバチマグロ、クロカジキ、メカジキ、マカジキといったマグロ類の料理や加工食品、金目鯛やムツなどの深海魚。
    詳細は厚生労働省のパンフレットをご参照ください。
  3. ビタミンAを多く含む動物性の食べ物 …レバー、うなぎ、あゆ、ホタルイカ

インフルエンザの予防接種は受けた方がよいですか?

 是非受けて下さい。当科に通院中の妊婦さんは、予約なしで受けられます。
 妊婦さんは抵抗力が弱いため、インフルエンザが重症化しやすく、予防接種が世界的に勧められています。また、予防接種によってできた免疫力は、お母さんだけでなく産まれた赤ちゃんをも守ってくれるとの報告があります。
 秋田県の多くの市町村で、妊婦さん(と高齢者と子供)は助成が受けられます。詳細は各市町村にお問い合わせください(HP:横手市湯沢市、東成瀬村、羽後町美郷町大仙市)。
 通常は、チメロサール(エチル水銀を含む防腐剤)を含んだワクチンを接種しますが、ご希望の方はチメロサールを含まないワクチンを選択することもできます。エチル水銀は、メチル水銀(水俣病の原因物質)と異なり、神経組織を始めとした臓器への影響が低く、現時点では、ワクチンに含まれるごく微量では胎児に影響はないとされています。しかしながら、ごく微量とはいえ水銀であるこということから、WHOではチメロサールを可能な限り減量し、将来的に完全に取り除くことが望ましい、としています。そこで、当院でもチメロサールなしのワクチンを入荷し、ご希望の妊婦さんに選択していただけるようにしています(2019年11月~、追加料金あり)。ただし、チメロサールなしのワクチンは流通量が少ないため、ご希望の方全員に接種できない可能性がありますので、ご了承ください。

里帰りの時期が妊娠34週を過ぎてしまうのですが?

 当院では、妊娠34週6日までに当院を受診し、それ以降の妊婦健診を全て当院で受けて頂いています。これは、現在通院されている産婦人科でみつからなかった異常が判明した場合に、安全にお産していただくために必要な対応を行う時間を確保するためです。従って、妊娠34週までに受診できない方のお産はお引き受けしておりません。
 ただし、やむを得ぬ理由(切迫早産により入院中、お子様の大事な行事など)で当院への初診がどうしても妊娠35週0日以降になってしまう場合は、電話にてご相談ください。医師が直接相談させて頂きます。

計画分娩はできますか?

 行っています。経産婦さんは妊娠38週後半以降に、初産婦さんはやむを得ない事情がある場合に限って妊娠39週以降に、それぞれ実施しています。ただし、計画分娩の処置は医療行為ですので、自然の陣痛を待機した場合に比べて、危険性が少し高くなります。出来るだけ自然の陣痛を待つことをお勧めしています。